ある日、こぐまはまるで思い出したみたいに、くるまの名前を叫びはじめた。
だけど――思い出せるはずのないことに、どうしてあんなに夢中になれるんだろう。
走り出した好きは、とまらない。誰の中にもいたはずの、小さな轟音を、あなたはまだ覚えていますか?