こぐま、くるま大好き

ある日、こぐまは
まるで思い出したみたいに、
くるまの名前を叫びはじめた。

だけど――
思い出せるはずのないことに、
どうしてあんなに夢中になれるんだろう。

走り出した好きは、とまらない。
誰の中にもいたはずの、
小さな轟音を、あなたはまだ覚えていますか?

2025-05|よしもりたけはる|こぐま、くるま大好き|絵本