パンプキン

《パンプキン》シリーズは、身近でありながらも不思議な存在感を放つ「かぼちゃ」という題材を通して、形と線、記憶と時間の関係を探る試みである。どの作品にも共通して描かれるふくらみや縦のリズムは、かぼちゃそのものの生命力を超えて、土地のぬくもりや季節の呼吸を感じさせる。描線はおおらかでありながら緊張を保ち、繰り返される構図の中に微妙な個性が宿る。黄色から橙へのゆるやかな移ろいは、実りと成熟の象徴としてのかぼちゃを新たな光で捉え直すものであり、素朴なモチーフに潜む豊かさを静かに照らしている。

《パンプキン》シリーズは、身近な実りをモチーフに、線と色の呼吸でその存在を軽やかに描き出した作品群です。どこかユーモラスでありながら、かぼちゃという形の奥にある温もりや時間の積層を感じさせます。 秋の深まりとともに、ひとつひとつの表情を変えて並ぶかぼちゃたち。 ぜひこのハロウィンの時期にこそ、どうぞお楽しみください。



2025-10|よしもりたけはる|パンプキン|イラストレーション