Re:「ライオン」

Re: これは、過去の作品や活動に対しての 返信、振り返り、再評価の試みである。 今回は、 2024年に制作された「ライオン」をめぐって、 いくつかの見方が行き来するとか、しないとか、 はたまた何処へいたれるか。

「ライオン」第67回常滑市美術展

2024-05|よしもりたけはる|第67回常滑市美術展|絵画

【 作品名 】ライオン 【 制作年 】 2024年 【 サイズ 】 900 × 1455 mm 【 素 材 】 ペンキ、アクリル、オイル、OSB、木材 A: これは、ライオンですよね。 私: はい、ライオンです。 B: そう見える、とは言えそうです。 ただ、ライオンを描いた、と言い切るには少し距離があるかもしれません。 輪郭は保たれているのに、内側の組み方が別の方向を向いているようにも見えます。 私: ???

A: 写しているというより、組み直しているような。 B: ええ、イメージを一度ほどいて、置き直している、という見方もできそうです。 「似せる」よりも、「成り立たせる」ことに重心があるのかもしれません。 A: たてがみの線、単純なのに密度がありますね。 B: 反復が重なって、時間の層のように見えてきます。 結果として、視線は自然に顔へ集まる。 同じ行為が続いたこと自体が、強さに変わっているとも言えそうです。 A: 身体は軽い。 B: 軽く見える、という印象はありますね。 バランスが意図的に外されているようにも感じられますし、 その偏りが、全体を支えているとも考えられます。 A: 少し可笑しさもあります。 私: (照) A: もしくは、カッコいい。 けれども、少し間抜け。 B: そう感じる人は多いかもしれません。 威厳と不安定さが、同時に残っている。 整えきらないことで、むしろ緊張が保たれているようにも見えます。

A: 文字も要素として入っていますね。 私: はい。画が締まると思いまして。 B: 読めるのですが、 説明になってないのがいい。 意味になりきらないまま、ノイズとして残ってる。 説明というよりは、構成の一部として置かれている印象です。 A: 読めるけど、よくわからない。 B: だから作品が閉じない。 外に少し開いてる。 私: 、、なるほど、

A: 支持体はOSBボードですか。 私: はい、そうです。 質感が好みで。 B: 工業的な素材ですね。 その上に手描きの線や文字が重なることで、 自然と人工の境界が少し曖昧になる。 均質な面と、不均質な痕跡が共存している、とも言えそうです。 私: その対比、カッコいいですね 自然と人工、 工業と手描き、、

A: これは、成立していると言えますか。 私: え?? B: 成立している、と考えることはできると思います。 描写よりも構成に重心がある。 何を残して、どこを崩したか、その選択に一貫性が見える気がします。 B: 本作には「再構成の詩性賞」を与えましょう。 技術そのものよりも、組み立て方に価値が見出されている、という意味で。 私: 詩、ですか。 B: はい、 描写ではなく構成に、詩がある。 “This work does not depict a lion.  It reconstructs the idea of one.” A: この先、どう展開するでしょうか。 B: どこか一箇所に、 異なる要素を強く入れてもよいかもしれない。 私: なるほど、 違うものを置いてみる、か

~ これは一つの結論ではない。 複数の見方が往復する中で、この作品は更新され続ける。 話は尽きませんが、 そろそろお時間となりました。 他愛のない対話にお付き合いいただき、 ありがとうございました。

2026-04|よしもりたけはる|Re:「ライオン」